肝臓内科

肝臓内科について

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肝臓はよく"沈黙の臓器"と呼ばれるように、何らかの問題が生じていても自覚症状の現れないことが多く、見過ごされやすいものです。
そのため適宜検査をし、何らかの肝疾患が発見されたら、適切な治療を受けることが大切です。
肝臓内科では、脂肪肝などの生活習慣病としての肝疾患やウイルス性肝炎(B型・C型)、原発性胆汁性胆管炎や自己免疫性肝炎などの自己免疫性肝疾患など、肝機能障害に関する診療を行っております。

  • B型・C型肝炎の治療には「医療費助成制度」による助成が受けられるケースがあります。当院では肝炎受給者証申請に必要な診断書(B・C型ともに)の作成も可能です。

肝炎ウイルス検査の勧め

肝機能検査では異常が無くても肝炎ウイルスに感染していることがありますので、一度は肝炎ウイルス検査をお受けになるよう、お勧めします(特に下記の項目に該当する方)。

  • これまでB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス検査を受けたことが無い方
  • ご自身のB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス検査の結果をご存じでない方
  • ご家族にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスに感染している方、肝がんの患者様がいらっしゃる方
  • 健康診断の血液検査で肝機能(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTなど)の異常を指摘されたものの、まだ医療機関を受診していない方
  • 母子感染予防策が実施されていなかった1985年(昭和60年)以前に生まれた方
  • 輸血や大きな手術を受けた方
  • 入れ墨(タトゥー)、医療機関以外でのピアス穴開けをしたことのある方

肝臓内科で診療する代表的な肝疾患

脂肪肝

肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態で、自覚症状はほとんどありません。
主な原因は、常習飲酒、肥満・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)、薬剤摂取などとされています。
現在、脂肪肝は増加の一途をたどり、国内の推計患者数は約3000万人にものぼります。

ほとんどお酒を飲まない人が脂肪肝から脂肪性肝炎になり、肝硬変、肝がんへと進行するケースがあります。
これは、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)といわれ、自覚症状もほとんどありません。
主な原因は、肥満・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)、薬剤摂取などとされていますが、そのメカニズムはいまだによく解明されていません。
非アルコール性脂肪肝炎の治療には何といっても生活の改善が大切で、低エネルギーで栄養バランスの良い食事を心がけ、適度な運動を取り入れます。
こうした生活改善によっても肝機能異常が治らない場合は、薬物療法を行うこともあります。

腹部超音波検査を用いて脂肪肝の有無を確認します。
当院では視覚的に脂肪肝の有無を確認するだけではなく、超音波の脂肪肝測定機能を用いてその程度を数値化します。
また、脂肪肝の病態評価では肝臓が「硬くなっているか?」が何より重要です。
当院では超音波装置を用いて硬さを測定(エラストグラフィー:肝硬度測定)し、病態を把握し治療方針を決定しています。

検診などで脂肪肝・肝機能異常を指摘された方は当院までご相談ください。

B型肝炎

B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染している人の血液や体液を介して感染することにより発症する疾患です。感染経路としては、母子感染や後天性の性的接触・輸血・臓器移植・入れ墨(タトゥー)・針刺し事故などがあり、感染した時期や健康状態によって、「一過性感染」で終わる場合と6ヶ月以上にわたって感染が持続する「持続感染」とに分けられます。ウイルスが持続感染している方の肝臓に炎症が起きるとB型慢性肝炎になります。
B型慢性肝炎の方には、飲み薬や注射でウイルスの増殖を抑える抗ウイルス療法(核酸アナログ製剤療法、インターフェロン療法)を行います。B型慢性肝炎では、ウイルスを体から完全に排除することが困難なため、治療の目的は「ウイルスの増殖力を低下させ、肝炎を沈静化させること」となります。

過去に「B型肝炎キャリアだから問題ない」といわれている方も肝炎が増悪することや肝発がんのリスクがあり、注意が必要です。B型肝炎キャリアの方はどんなに落ち着いているといわれていても定期的な血液検査・腹部超音波検査が必須です。一度でもB型肝炎感染を指摘された方は当院までご相談ください。

C型肝炎

C型肝炎は、感染している人の血液や体液を介してC型肝炎ウイルスに感染することによって発症する肝疾患です。感染すると70~80%の方が持続感染し、慢性肝炎→肝硬変→肝がんへと進行する要因となります。
C型慢性肝炎の治療は、2013年までは注射薬のインターフェロンが必須でしたが、強い副作用等のために、高齢者などでは投与に困難をきたすケースが少なくありませんでした。ところが2014年以降にこの状況は劇的な変化を遂げ、副作用の少ない経口薬(2~3ヵ月)のみで高率にウイルス排除が得られるようになりました。
前身のヒロ・クリニックでも2014年から経口薬での治療を開始し、多くの患者様を治療してきました。当院でも引き続き経口薬を用いた抗ウイルス療法を行っています。

過去にC型肝炎を指摘されたがまだ治療を受けていない方や肝炎ウイルス検診などで新たに感染が判明した方は当院までご相談ください。

  • 再治療など、高度な判断が求められる症例については静岡県肝疾患連携拠点病院である順天堂大学医学部附属静岡病院と連携して治療を行っています。